上部消化管内視鏡検査、いわゆる胃カメラ検査は、胃がんや食道がんなどの病気を早期に発見することができる検査です。
内視鏡検査では観察するだけでなく、気になる病変の一部を取り、良性か悪性なのかを病理検査で詳しく調べることができることができます。
早期のがんは症状が出ないことも多いです。だからこそ早期発見・早期治療ができるように、症状が出ていなくても定期的に内視鏡検査を受けるのが理想です。もし仮に少しでもなんらかの症状がみられるようなら、すぐにでも検査を受けるようにしましょう。
当院では、口から内視鏡を入れる従来の「経口内視鏡」に加え、鼻から入れる「経鼻内視鏡」にも対応しています。
経口内視鏡はお口の奥の反射が強くて苦しさを感じる方も多いため、当院では基本的には経鼻内視鏡をおすすめしています。ただし、アレルギー性鼻炎などで鼻の粘膜が腫れている方、鼻腔が狭い方、鼻の軸がもともと弯曲している方など、経鼻内視鏡が入りにくい方へは経口内視鏡を行います。
がんの発見をはじめ、胃潰瘍や胃炎、ピロリ菌の感染などの有無がわかります。
内視鏡検査でポリープの切除など内視鏡による治療が必要と判断した場合はすみやかに専門医療機関をご紹介しています。
腹痛や胃もたれがある方はもちろん、「なんとなく最近調子が悪い」という方も早めに検査を受けましょう。体重が減るのも病気の兆候であることが多いです。
健康な方でも油断は禁物です。胃がんなど、自覚症状のない病気もたくさんあるため、定期的に検査を受けるようにしましょう。検査の目安は、胃の粘膜が健康な方で2年に1回です。胃炎や萎縮性胃炎があるなど、胃がんの発生リスクの高い方は、年に1回の検査をおすすめします。
1 来院検査当日は、空腹状態でご来院ください。
2検査の準備喉の麻酔をした後、胃の粘液を除去する薬を飲んでいただきます。
経鼻内視鏡の場合は、鼻の粘膜を収縮させるために、血管収縮剤で鼻血をおこしにくい状態にします。同時に局所麻酔も行います。
3内視鏡検査経鼻内視鏡の場合は、鼻から管を通して数分置いた後、内視鏡を鼻からいれます。経口内視鏡の場合は、喉麻酔の後、口から管を通します。検査時間は、およそ5~10分程度です。
4検査結果の説明
写真を見ながら検査の結果の説明を行います。その後はすぐにお帰りいただけます。
内視鏡を飲むのにどうしても抵抗がある方や困難な方には、バリウム検査をおすすめすることもあります。ただし、バリウム検査はレントゲンを使用するため、X線を浴びないほうが良い妊婦さんなどには不向きです。また、バリウム検査は検査中に体を頻繁に動かす必要があるので、どちらかというと健康な方や若い方向けです。体力が低下している方やご高齢の方は、内視鏡検査のほうがおすすめです。
バリウム検査でも、粘膜の隆起など立体的なコントラストをみることはできます。ただし、内視鏡検査のように色調はわからないため、粘膜面そのものの状態を詳しく調べることはできません。一方、内視鏡検査はその場で生検(粘膜のごく少量を採って病理検査を行うこと)やピロリ菌の検査なども可能ですので、基本的にはこちらをおすすめしています。
検査には、経鼻内視鏡、経口内視鏡、バリウム検査など、さまざまなものがあります。当院では、患者さんになるべく苦痛を与えない検査ができるよう、患者さんのご希望もふまえながらそれぞれに合った検査方法をご提案しています。ご提案の際には、検査の方法や説明などもしっかりと行っています。